大工店「賽」が選ぶ、こだわりの素材や、その一例をご紹介します。
国土の7割が山林のわが国は木の宝庫です。あらゆる生活物資が木製だった時代、未来の需要を見越して先祖が植えた杉や桧はちょうど使いごろを迎えています。半年 一年 天然乾操で緩やかに乾操させた木は精油分で木の力を存分に発揮します。
構造仕様・土台 | 桧・ひば |
柱 | 杉・桧 |
梁 | 杉・地松・米松 |
産地:天竜材・西川材・吉野材
土台には赤身のはった心材の檜をつかっています。
檜であればなんでも虫や湿気に強いわけではありません。
檜は赤身のほうに成分があるので赤身のはったものを選びましょう
角材で赤身が多いということは材をとっている
原木がでかいということです。
流通材では出してもらえない裏メニューみたいなものですね。
さらに防腐防虫処理としてひばの精油を塗ります。
梁に使われる材は地松や杉の平角をつかいます。
なんといっても木の密度が違う地松はちからもちです。
木を剥いだ皮から作られる木の繊維から出来ている高性能な断熱材。
充填型の断熱材はただ壁にいれただけでは取り合いから空気が伝わってあまり意味がありません。
かといってビニールハウスみたいに壁をくるんでしまったら蒸れてしまいます。
そのため断熱の外側はすのこ状の板に透湿シートをはって空気の出入りをさせます。
内側は室内の湿気が壁に入り込むのをふせぐための防湿シートをはります。
一般の袋入りグラスウールの袋はこの役目をしているのでシート状に隙間なくはらないといみがありません。
よく解体などで<ぶっこんだだけ>という施工みかけます。
きちんと貼ればグラスウールでもかなりの効果がでます。
予算に余裕があれば調湿型のシートを貼るのが理想です。
屋根外壁ともに通気層をつくって空気の循環をはかります。
住宅の中で最も熱の侵入がおこるのは窓です。
断熱材にお金をかけてサッシは普通のアルミサッシなんて言ったら本末転倒です。
ペアガラスでも単体ガラスよりは断熱性能がありますが、さらに進化させたlow-eガラスは遮熱断熱層として金属のうすい膜をはっています。すべての窓に採用する必要はないですが南側の窓などには採用するといいかもしれません
【珪藻土】
昔海だった地層にプランクトンの死骸が堆積してできた無数の小さな穴のあいた石を
粉状態にしたものです。
穴が空気を取り込んで湿度を調節してくれます。
しかし自分では固まる性質がないので
化学のりを混ぜたりや白さをだすために焼かれたものは
いいものではないです。
焼かれたものは石綿に近いものに変質してしまうからです。
【漆喰】
消石灰と麩のりをまぜた昔からあるいわゆる白壁です。石灰ですから湿気を吸ってくれます。
何とも言えないマットな質感が好きです。
【土壁】
石膏ボードができる以前は日本の家は板壁か土壁でした荒木田土という田んぼの土にわらをまぜたりしてつくります。竹を編んだ上に土をおよそ6センチくらいぬります。編みの間に土がまわって固定されます。
最初に塗る土は収縮が大きいので、収縮の少ない砂と土を混ぜたものをぬります。これを中塗り土といいます。
中塗り土も十分いい風合いなので仕上げを中塗りにすることもおおいです。
【板壁】
木量が多いデザインは山小屋感になりがちですがシャープな納めでいい部屋にします。
やはり香りを感じられるのは一番ではないでしょうか。
【和紙壁】
和紙は身近にもふれるいい素材です。張り替えるときもかさねてそのまま貼れますし 左官仕上げより比較的安価です。土佐和紙などいろいろな産地の品があります。
【和瓦】
焼き物ですから耐候性は抜群かつ空気層もとれるメリットがあります。重量も瓦でももつ設計をしていればとくに問題はありません。
【縁側の障子】
自然と家をゆるやかに分ける障子の魅力。半透明な紙風のガラスも入れられます。
【差し鴨居と木製建具】
建具と構造のコラボで絵になる空間に。