
今、古いおうちなおしています。
50年たってますがしっかり作ってあるので充分まだまだ現役です。
自分は大工ですから家をつくるのが仕事です。
でも最近おもいます。
人口がどんどん減っていくのにこれ以上作っていく必要があるのか?
住宅を建ててローンを組んでもらって銀行は収益を得る。だからある意味国策に守られて続けている産業なんだなって思います。
なんか1人立ちしてない産業はオワコン化していく気がしてならないです。
土地 建物でものすごい借金をしてお父さんは借金のために働くみたいな。人生の貴重な時間、子どもとすごしたりする時間。
それらを犠牲にして残すにふさわしい価値のあるものなのか。
日本人は家を資産だと思っています。
でも自分たちが住んでいればお金生む訳ではないですし、郊外の家なら長年住んでいればほぼ売るときは土地値ですし、買いたたかれます。
なら金(きん)でも買ったほうがよっぽどよいのでは?って素人の自分でもおもいます。
残すための家ではなくて単に住むための家でよいよね。それなら。
今なおしている古民家も、作れられた時代にはまだまだ家で催事をしたり、家がもつ役割が多様にあったし、何より昔の有力者は普請をすることで仕事を生んで社会に還元するという意識があったとおもいます。
戦争を経験した世代が自分のことだけのために何かをするという風には自分には考えられないのです。きっとそういう意味があったとおもいます。
でもこれからはその役目というよりは住む人がしあわせであればよいかなと思います。
思い出があるから現場の古材たくさん使ってます。
のでお金を無理してまですることではないのかなと思います。
それでは大工の仕事は減りますね。
もともと先を読めないと現場の運営すらできない仕事ですから自分はそう思ったらちがう方向に注力したいなとおもいます。
たぶんこれから若い人たちはその時間を大事に有意義に使っていくためには
手の届く中古の家を自分や家族と自分このみの家に住みながら作っていくみたいなのが主流になるのでは?ていうかその流れを作っていきたいと思っています。
人生は長いから一番大事な時間に疲弊してまでやるより長い間にならしていくほうが良いとおもいます。
家をいじるって確かに複雑だから素人さんには難しいと思うけど、その部分をだれかにサポートしてもらえば 作業自体はそこまで複雑でもありません。
なんというか、作るだけの仕事より、一緒に何か作っていく仕事がしたいなと思っています。
いままで数多くの建築家の仕事してきました。
建築の粋をやっていくほどに、
専門職って、どんどん高級で、世間の価値観とはかけ離れた自分の世界観のほうにシフトしていってしまうんだなと少しおもいました。
だって、そんなんお金いっぱいなきゃ結局できないやん。
やはり職人は腕をみがいて上を目指すのも大事だけど、使ってもらってなんぼじゃいと思うのです。
切れるハサミも戸棚に閉まっとくだけでは
無用な鉄のかたまりです。
来年からはそういうお客さんと、不動産やで物件さがしたり、
楽しい場所を作りたい大家さんと仕事したり
一緒に信頼できる、
不動産関係の人とか、そういう人と出会う機会を増やしたいとおもいます。
共感したかたご連絡ください。
商品開発やら販促デザインやら建物と空間と人にまつわることを総合的にやっていきたいなとおもうし、持続性を模索できるスキルがあれば
自分が大事にしてきた残すべき建物の延命をはかれる第一歩になるかなと思っています。
ずいぶん長文書いたな。