2019年

9月

21日

木栓うちの火打ち梁

読んで字のごとく木のちからだけで引いてる火打ち梁です。

伝統的な家では斜めの材(筋違)や火打ちはあまりつかいませんが、基準的にいれなければいけないところはしょうがないですね。

ということでせめてもの抵抗ですかね。(笑)

自分的には寄棟の隅木をかっちり入れてせがいがしっかりくんである家はかなり水平が効いてる木がします 

斜め材は固定を強める反面 一定の力を過ぎると固定されてる場所を押して木を折ったりします。

やはり木は総もちで負担する仕組みがよいですね。

ベニヤの壁が釘ごときであんなに固まるのもある意味総もちしてるからでしょうね。

 しかし固い物には限界点を超えると材の破壊がおこります。

総もちと動きのある粘りの両方が昔の家の良さかなーっておもいます。

 

2019年

7月

18日

通し貫

木で木を無理なく締めるの巻その3

通し貫とは柱に穴をあけて平均4本くらいの28ミリの板を柱を編むようにしていれていきます。

長いところは柱の中で継手を作ってつなげてあります。すべての柱が貫でつながっていることになります。

さらにこの貫をいれて垂直を見た後にクサビで締め固めます

田舎のほうでは筋違がなくてこの貫だけで固めている家をよくみますが

都市部の量産された家では 薄い15ミリの貫にくぎがうってあるだけで構造的には作用せず土壁の固さでもっている家です。

設計の指針になる真壁に貫板にボードをはったりして耐力をみるのも貫の評価は薄い板にクサビなしの一般的な下地貫でみているのですごく評価がひくいです。実際はもっと効果を発揮しています。

筋違で支える一般的な壁は柱ホゾ(しかもみじかい)4点だけで力をささえているので 1度目の地震で筋違におおきな損傷をうけて耐力が減衰しているところに2度目がきて折れると支えを失った4点はたおれます。

貫の場合は長ホゾこみ栓の4点(これだけでもかなり固い)に貫4本で8点たして合計12点で

柱をささえます。

建物がゆがんだときの土台とけたのずれの量をあらわす基準に層間変形角というのがありますが120分の1ラジアンをこえてはいけないって基準があるみたいですが、貫は固いとはいえおおきな力がかかればじわじわとゆがんでいきます。逆にゆがんでくれないと破壊がおきます。 手作り家具の椅子はなかなかこわれないけど ビスでビビっとくんだ椅子はある程度の力まではもちますが逆に破壊がおきるのははやいです。木と鉄ですから。

 

そしてじわじわゆがんでも相当おおきな角度までたおれることはありません。

なのに基準をこえちゃうからいかんみたいにいわれるんですよね。おかしなはなしです。

 

ぐだぐだ書きましたが単純にどう考えたって

 

つよいでしょ。。。

 

 

 

 

 

2019年

7月

17日

引き独鈷(どっこ)

木で木を無理なく固めるの巻 その2

この300幅もある敷居と敷居を留めにって

建築家さんが簡単にいうから。。。

うらにテ―パー穴を掘って ↘️↙️こーゆー

勝手同志をあわせてスライドすると

あら不思議 どんどん寄ってくではありませんか。

大工の手間より釘のが高い時代の知恵やねー。


2019年

7月

16日

コミ栓

木で木を無理なく固めるの巻その1

いまの家の柱のほぞはなんセンチあるでしょうか?

工務店の社長は大工さんじゃない人も多いので

長さすら気にしてもいないでしょう。

プレカットさんに聞かれなきゃ。

普通にスルーするとわずか4.5センチです。

ほぞというよりはポッチです。(笑)

うちは最低でも9センチにします。

長いときは梁の幅全部です。

コミ栓をいれるには最低そのくらいないと栓が効きません。

しかもこの栓は1.5ミリずらしてひきつけるようにしてあるので、

ドリルで丸栓というわけにはいかないのです。

土台が十字になっているところはあとからうてないので、斜めにドリルをあとからあけて、

丸のコミ栓をいれます。

奥が深いでしょう?


2019年

7月

15日

桧のデッキ

いい香り 桧はいいねぇ。

庭に栃木の桧の45厚でデッキを作りました。

何が違うて!

うちでは上からビスは打たんのです。

面倒でも裏うち桟をいれて裏から止めます。


塀などのほぞ穴も下までぬいたり、とにかく水を制するように加工します。


て、かんがえて、たまにメンテ塗料すればかなりもちますよ。



2019年

7月

08日

梨街道の家

千葉県産材の杉を手刻みで木組みした家

この家は一人で刻んで 棟上げ前日は通し貫(柱に貫通穴をあけて板を通して木を編む)を一人でくみながら持ち上げられる梁はくんでしまいました。頭使って クランプに一回のせながらうまくやったら半分くらいはできちゃいました。

ともだちいないの?っていわれそうなので応援呼びます。(笑)

栓 楔 通し貫 手刻みのようす。

完成。木組み

梁 柱 千葉県産杉

土台 桧

フローリング 杉 赤身 30ミリ

内装かべ しっくい鏝おさえ

外装かべ 杉赤身目板ばり ウッドロングエコ塗装仕上げ

2019年

6月

06日

古民家

ここ最近古民家を再生する仕事をしています。

蚕さんをかっていた二階のある築100年くらいのたてものです。

肝心な構造部分には堅いけやきの木がつかわれていました。

 

多分に漏れず少しまえのリフォームでベニヤとかがつかわれて劣化してぼろぼろになってます。

段差や寒さなどを改善しながら漆喰や板張りで仕上げていきます。

丸太にチョウナではつりをかけて組み上げてある木は圧巻です。

全国にたくさんある古い家を少しでものこせたらいいなとおもいます。

 

2019年

6月

03日

断熱を断捨離?

断熱は大事! 高断熱 高気密の家にすみたい!

断熱施工はきっちりやるのが大事です。

調湿 透湿 防湿 それぞれの層のシートの特性を知って目張りのように連続性を持たせて

施工します。

しかし!

私の建物はさほど断熱は重要視していません。

もちろんご要望があればきっちりやらせていただきますが、

室内 室外の熱交換のほとんどは窓からはいってきます。

そう。まずはお金をかけるべきは窓なんです。

断熱ばかりに目をとられて、窓が普通のペアガラス程度では断熱が穴だらけなのと一緒です。

建売現場で ただぶっこんである断熱なんて正直ないのとたいしてかわらないです。

逆にきっちりやればグラスウールでもそこそこ性能を発揮します。

断熱は暖房じゃありませんよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年

5月

22日

施工事例 町工場街にある振れ隅木の家

町工場が多くある地域に建つ家です。地元の建築家とともにつくりました。

内装は、ナラ 栗 をベースに 構造材は 高知県の杉をつかっています。

特徴的な構造は振れ隅木の一本物の大梁という構造です。

隅木とはふつう45°で入る斜めの材ですが

角度がずれているのを振れすみといい

振れ隅になると左右の勾配角度は違う勾配になります。

45°のときは一緒になります。

何がすごいかって?

大工の自己満足です。(笑)

角地の隅切りのおかげでいい体験ができました。

お施主さん ありがとうございます。

 

 

構造材 土佐杉 (土佐会)

設計 普設計合同会社 

施工 佐野建築工房

 

0 コメント

2019年

5月

02日

大工店 賽

大工店・賽 の賽はさいころのことですが

もともと賽というのは 

地域の守り神という意味があります。

賽の神って風習がある地域もありますね。

お地蔵さんなどもその地域の守り神のなかまです。

もともとサイコロの起源は神様に吉凶を占う道具からきています。

いえもいわば家族の守り神です。

木の命を自然から頂いて家をつくります。

そんな敬服の意味をこめて

屋号「賽」と名付けました。

よろしくでーす。

 

 

 

2019年

3月

29日

カンナの掛け方

カンナを上手にかける方法

鉋のかけかた。。。

僕にもわかりません(笑)

鉋はしっかり調整しないとつかえません。

ホームセンターなどですぐ使いの鉋を買って

使っていても

刃がへったり 台がへったり

そんなことしているうちにつかえなくなって

遠ざかってしまう

素人さん泣かせの道具です。

要は手のかかる子供みたいなやつなんです。

なんでもメンテナンスフリーな時代に

臨機応変な対応を求められるんですよね。

人はしばしば自分の都合で自然の道理に逆らった

ことをします。

台の木も 刃の鋼も 削られる木も多様性をもっています。

そこに道理がピタっとあわなければよくはならないわけです。

自分の都合はまったくかなわないのでっす!

一番の早道は「その子の特性を理解する」

て、ことですかね。

人のかかわりと同じです。

鉋はラブ&ピースな道具なのだ。(笑)

写真は銭湯の作業場にあったさびさびの鉋もらってきたものです。さびすごいけど仕立てのいい鉋です。

さびは木工ボンドぬってははがししてると

だんだんとれますよ。

次回から順をおって少し知ってることを書いてみまーす。

 

ではまたー。

 

 

 

 

 

 

2018年

5月

08日

川のほとりの日本家屋 焼き杉外壁  

受け継いできた家を住みやすくしたい。

そんな要望から始まった

一昨年の秋にはじめた古民家の改修。古い杉板にペンキが塗られていたので塗膜はボロボロで隙間も多く

防水層もゼロなので防水層を作ったうえに炭化層の厚い焼き杉板をはりました。

鳥取県の智頭杉の赤身です。

この部屋の矩折り庇は洋部屋だったのでハコ庇でしたが和のイメージにしたいので小舞に柾板を貼って

まるごとつくりかえました。

庇の軒勾配はのろいほうが見た目がいいので野勾配と空間とって蓑甲にしてます。

 庭の木と映えますねー。

 

日本家屋が本来もっているポテンシャルは高い!

リフォームで貼られたプリント合板や 繊維壁!

建築の質が下り坂を歩き始めたころのものを取り払って原設計に戻し

少し現代の暮らしのテイストをいれる。

 

まるごと替える必要はないですよね。

 

直したというよりは整理した感じですかね。

 

日本家屋大好きです。

2017年

12月

06日

施工事例:大田区 大森

天竜杉の大梁と珪藻土白壁の家

高台にあるロケーション抜群の自然素材の家です。

6メートルの杉の大梁を木組み。

雛壇敷地に狭小な道路と悪条件のなか

職人さんのチームワークで建築しました。

 

ローコストですができる限り自然素材を使っています。

大きなリビングと併設したキッチンに造作棚やコワーキングデスク

をつけました。

設計 施工 天音堂リフォームラボ(株)

大工工事 (有)佐野建築工房 

基礎・べた基礎・土台・根太 野地・床下 天竜檜
柱・梁・筋違 フローリング 天竜檜
建具 木製既成建具
屋根 ガルバリウム
外壁 モルタル通気工法全面メッシュ伏せ
断熱 パーフェクトバリア(ペットボトル再生繊維)

2016年

5月

01日

古家のリフォーム  坪庭

もともと錆びた物置がおいてあったちいさな庭にサワラの木で塀とデッキをつくってみました。

節のある一等材を木端立てに使い 長さをレイアウトしながら節と節の無地の区間がくるように仕事をしているので、

いい材料つかったみたいにみえます。

大工ってそういうときたたのしいんです。

ぼくの現場ではサワラのデッキはよくやります。

お上品な香りがしますよ。

 

 

2015年

11月

20日

古家のリフォーム5

浴室シャワールームはベランダの防水などに使われるFRP防水に白のトップを施した清潔感あるお風呂にしあがりました。

先日一年点検にいってきましたが汚れもほとんどありませんでした。

ユニットバスのむずかしい変則的な空間でしたがユニットにはできない空間ができたとおもいます。


防水 壁 ともに 防水シートと通気胴縁を打って乾式床の土間下に浸透排水を設けて、万が一水が壁に入っても流れるしくみになっています。


この仕組みなら意外と簡単に在来でお風呂が作れます。

桧の壁に 石張り とかもやってみたいな。




2015年

7月

25日

古家のリフォーム4

びふぉー

びふぉー

和室と台所だった部分を一間にして広くなりました。

桁は杉板で囲って太らせてみました。なんとなく角材にみえるようにダミーの金輪継ぎ手なども作ってみました。

床はナラ材です。

収納の扉には築100年の古民家から頂いてきた舞良戸を入れました。開き戸でしたが戸車をつけて引き戸にしました。


仕立てのいい戸ですからまだまだ使えます。サワラの戸でしたね。


壁でふさいで真っ白なリフォームもいいですが、国産材でつくられてることが多い古い家は素材を生かすのも飽きのこない空間になるかもですね。


もとの杉板天井もいいかんじでしたけどきれいには取れないので解体しました。


木は年数がたつほど味がでるのですが、ボロという扱いにする風潮が浸透してますからね。


維持管理しだいで化けるもんですよ。







2015年

7月

17日

古家のリフォーム3

このおうちの壁は土壁でした。

ベニヤ壁の下に繊維壁やしっくい さらに土といったぐあいです。

住宅密集地でも都内では土壁おおいです。


叩いても弾むばかりでなかなかこわれません。


ひと壁くだいたあとはあきらめて木舞を丸鋸で切りました。

土壁塗るのはたのしそうですね。


近年は、関東では土を塗る左官職人さんや荒木田土材料屋の数が減って大変なようです。


しかし土には 荒壁から 砂をふやした中塗り 色土 や 漆喰と土をまぜた半田 などさまざまで独特な風合いがあります。

素材の表情と寄り添う建築は職人さんや材料、道具を作る人みんなの力がなければなしえません。


原点を忘れたらもう一度還ってみることじゃないかな。っておもいます。 


2015年

7月

15日

古家のリフォーム2

先日 時間があったので現場に寄らせて頂きました。

1年経って ほどよく経年変化していい感じになってました。


ふるくなるほど味がでる無垢材のよさですね。


一等材で無地の赤身が多い垂木を出してくれる製材所さんから買った赤柾の格子がグッド。


安いものを高く見せるのが大工のつよみです。


桧の格子戸は高知の建具屋さんに作っていただきました。


やっぱり手作りの家はいいですね。




2015年

7月

14日

古家のリフォーム

びふぉー。


アフター

これから大量に余っていくと言われている中古住宅。

「おじいちゃんたちが住んでいた家が空き家に」

なんてこともよくあります。

もうボロボロで不動産屋さんも建物の評価額ゼロです。

て、

もよく聞きます。

でも、それって建築の知識が薄い方たちが見た目の印象だけで決めただけでしょ。


古家評価額ゼロでもここまでよみがえるもんです建築は。


しかも建築知識をいかしたローコスト。


大工だからできるわけです。


今では手に入らないようなしつらえもあったりして楽しいものです。


アンティークの木製建具をはめたり。


建物もしっかり補強。


家には皆さん思っている以上の力があるのですよ。


手刻みのできる大工には構造を改良することはたやすいことなのです。


古家なおし検証してみましょう。






2015年

4月

24日

杉赤身 柾目のテーブル

棟梁の佐野っちです。

なんとみごとな赤柾の杉ですね。


柾目は木の中心のタケノコ模様の脇のせんがまっすぐになってるあたりのことをいいます。


そこが赤いといことは原木がでかいということです。


木は若いときたくさん枝を出しますので

赤身の無節とはとても貴重です。

しかーし!

この材は実は屋根垂木の荒材なのです。


うれしいおまけが入ったもんです。


大工社長ならではの機転ですね。


価値のわからない  いまどき大工でしたら今頃屋根の上だったでしょう


価値あるものを


手を加え


いいものに作り上げるのが大工の醍醐味ですね。


金出しゃあいいってもんじゃあないのよ。


心意気ですから。

2012年

10月

11日

すばらしい木組み

古民家の梁
古民家の梁

築100年の古民家の梁です270ミリのけやきの丸太で15メートルくらいの長さがあります。 現代では大工さんが墨をつけて刻むことは皆無に等しくなってきました

せっかく良材が育っても 木を知り組み上げる人 その仕事を知り一緒に仕上げてくれる下職さん、古民家や日本家屋の繊細なディテールを表現してくれる設計士さんたちがいなくては ひのめをみることはありません。

 

最近では床板も木目を印刷した紙を圧縮ダンボールにはったものになっています。

しかしこのフロア材がそういうものだとお客さんに説明する人はまずいません。

 

日本の家のありかたがいつからかコスト優先になってしまいました。

 

しかし考えてみてください。

 

あなたの大事なお金が材料費に使われず 余計な人件費や中間マージンに使われいるとしたら 他人のために紙の床板の家に過ごしていることになります。

 

私たちはそれぞれに必要な知識と力を持ち寄ってチームをつくっています。

 

本物の家を建てたいと思う方の手助けができるよう余計なセールスは必要ありません。

 

まずは本物を見て 触れて 木の香りを嗅いでみてください。

きっとあなたの家づくりのありかたが変わるはずです。 

2011年

5月

01日

仕事のスキルが評価につながらなくなる時代の到来

自己紹介2

時代は移り…カンナ削りはビニール貼りの枠材の普及によってなくなり、墨付け、手刻みはプレカットになり、本来の大工仕事は泡のように消えていきました。

数年後、もともと一本気の職人な父は急激なコストカットの波により 職人の手間を削っていく不動産下請け業界に見切りをつけ工務店を廃業しました。

丁稚(でっち)奉公からそだてた職人さんをいじめたくはなかったからだそうです。

 

そして僕は一人の職人として歩んでいくことになりました。

かねてから興味のあった社寺建築や木組みの家を作っている工務店などにいってみました。

そこでひとつの考えにたどりつきました。

やはり大工として必要とされる場所で働きたい。

木の素晴らしさや底力をもっと伝えたい。

と思うようになりました。

よく「無垢の木は高いんでしょ」とか言われますし、無垢というだけで敷居の高いイメージをもって声をかけづらいという方も多数おられると思います。

毎日 素材をいかした料理とインスタントや冷凍食品を使い分けて暮らしている現代人と一緒で、バランスだと思うんです。

 

建築の業界は工事の工程や管理体制がシステム化されていて、個体差や品質にばらつきのある無垢材は工業生産のなかでは嫌悪されがちだとおもいます。

それを見極める職人さんのスキルにも影響されます。

しかし無垢材には代えがたい価値があるのです。

その価値に対しての対価を高いと思うか安いと思うかは価値観の問題なのです。

 

しかしこれだけはいえます。

 

20年近く大工をしてきた私が面倒で手のかかる、お金にもつながらない無垢材の方を仕事に選んだのは、やはり、森から、材木店、そして工務店とそれぞれの思いと継承してきたスキルというバトンを渡しながら作っていく良さがあるからなのです。

 

手に取って感じることから始めてみて下さい。

 

おしまい。

2011年

5月

01日

四人兄弟、たった一人の男の子に生まれました。

自己紹介

六畳一間に六人でちゃぶ台を囲む典型的昭和な家族。

ガラガラ ガラン

「ただいまー。」

我が家の玄関はサザエさんちみたいなガラガラうるさいあの引き戸でした。

 

父が帰ってくるとヒバや杉のいい香りがしました。

風呂上りに でっかいビール瓶をもって父に酌をするのがぼくの日課でした。

 

「バカヤロー!ビールの酌もできねえのかボンクラ息子!

こうやってやるんだバカヤロー!」

 

口は悪いけど面倒見のいい親父です。

 

父は日本間を得意とする腕のいい大工でしたが家族の多い我が家を仕事の少ない「いい仕事」で養うのは大変なので、当時仕事がたくさんあった建売住宅の世界に飛び込んでいったそうです。

 

僕もそんな父の背中を追って大工の世界の扉をあけました。

弟子入りしたのは町の大工さん

ご近所さんがいつも出入りしているアットホームな工務店でした。

ぼくが修行5年間お世話になった親方は福島出身で兄弟で大工さんをしている方でした。

お兄さんは物静かですが親分肌の面倒見のいい社長で、弟さんはいつも冗談をいって現場をなごませているムードメーカーでした。

 

足立区は住宅密集地も多いため

「工事の音がうるさい」

などの苦情が寄せられることがよくありますが、毎日の挨拶や丁寧な対応をして最終的には仲良くなってしまうような人情味のある親方でした。

父はストイックで回りをビンビンひっぱていくタイプですが親方は真逆なタイプでした

とにかく気が長い。 

どんな小さなことでも誠実に向き合っていました。

 

子どものいたずらで二階のトイレに大量のペーパーを流して水浸しになったときも、駆けつけて一階の天井を替えたりすぐになおしていました。

 

「こどもがやったんならしょうがないな。」

「二回はやらないぞ。」

 

親方は20年近くたった今もお施主さんのところへ呼ばれるそうです。

修業時代一番に学んだことは、「人々に頼りにされる職人になる」ことです。

仕事のスキルが評価につながらなくなる時代の到来

明治維新の様に職人は刃物を捨て、くぎ打ち機という鉄砲をふりまわしていた。。。